小説には物語の中に自然なかたちで四字熟語がちりばめられています。それらの表現をどのような場面で使うのかを、文脈を通じて理解することができます。有名な文豪たちの作品を通じて四字熟語の学習に役立ててください。
▶︎太宰治(だざいおさむ)
〜破滅的な人生と複雑な性格〜
1909〜1948年、青森県出身。愛人との心中や自殺未遂をくり返し、生活破綻者とも呼ばれた太宰治。しかしその素顔は、意外にもユーモアにあふれた人柄だったといわれています。
▶︎夏目漱石(なつめそうせき)
〜明治を代表する大文豪〜
1867年〜1916年、東京都出身。同時期に活躍した森鴎外と並んで語られる、日本を代表する作家のひとり。神経質で病気がちだったが、教員経験もあり、若手作家の面倒をみるような世話好きな一面もありました。
▶︎有島武郎(ありしまたけお)
1878〜1923年、東京都出身。「生れ出づる悩み」「或る女」などで知られる白樺派の作家。女性からかなりモテたことは有名。人妻の波多野秋子と軽井沢の別荘浄月庵にて情死し、自ら人生の幕をおろしました。
▶︎森鴎外(もりおうがい)
〜陸軍軍医との二足のわらじ〜
1862〜1922年、島根県出身。日本の近代文学をリードした大文豪、森鴎外。頭脳明晰で剛直な性格として知られている。東京大学医学部を卒業した軍医でもあり、いわば高級官僚として成功した人物でもあった。
▶︎江戸川乱歩(えどがわらんぽ)
〜推理小説の礎を築く〜
1894〜1965年、三重県出身。大正期から昭和にかけて活躍した推理小説家。「江戸川乱歩」というペンネームは、アメリカの作家エドガー・アラン・ポーをもじったもの。
▶︎坂口安吾(さかぐちあんご)
1906〜1955年、新潟県出身。昭和の戦前・戦後にかけて活躍した近現代日本文学を代表する作家の一人。戦後、旧来の道徳観を否定した「堕落論」や小説「白痴」で、混乱した世相に衝撃を与えました。