▼これが課長島耕作から連想する四字熟語です
① 奇貨可居(きかかきょ)
絶好の機会を逃すことなく、巧みに利用すべきであるという考え方を、「奇貨可居」といいます。
弘兼憲史の漫画、「課長 島耕作」は、1980年代のバブル景気開始から1990年代までの日本経済の動きを背景に、いわゆる”団塊の世代”である主人公、島耕作が、大企業の社員として、状況に翻弄されながら、巧みに泳ぎ渡っていく様を描いた作品です。
島耕作は、自らの実力一本で道を切り開くというよりも、むしろ巡ってくるチャンスや出会いに助けられながら、危機を乗り越えて出世していきます。そういう意味で、まさに、「奇貨可居」を体現した人物であると言えます。
② 不偏不党(ふへんふとう)
特定の派閥などに与せず、中立で公平な立場に立つことを、「不偏不党」といいます。
島耕作は、たとえ損をすることがあっても、常に社内の派閥から距離を置こうとし、取り込まれたり利用したりすることを望みませんでした。その「不偏不党」の態度は、島耕作というビジネスマンを語る上での、重要な要素となっています。
③ 破鏡不照(はきょうふしょう)
夫婦が離縁すること、別れた夫婦が二度と元の関係に戻らないことを、「破鏡不照」といいます。
ビジネスマンとしては極めて有能、かつ幸運であった島耕作ですが、家庭には恵まれていたとは言えず、妻とは、連載開始時には既に冷めた関係となっていて、後に離婚しています。
島耕作は、離婚前から、仕事で出会う多くの女性たちと関係を持っており、妻も婚外恋愛をしていました。島耕作は女性遍歴を重ねたあと、二十歳も若い女性と再婚します。
そういった面で、家庭を顧みることのない男性の利己的な願望を描いた作品であると考えられて、女性読書からは批判を浴びることもあるようです。