▼これが巨人の星から連想する四字熟語です
① 一球入魂(いっきゅうにゅうこん)
(野球などの球技で)心身の全力をこめて球を投げること。そして全力で何かに取り組むことを、「一球入魂」といいます。
「巨人の星」の主人公、星飛雄馬は、父である星一徹の果たせなかった夢を背負わされる形で、幼少期から投手としての特訓を受けて育ちます。幼い飛雄馬のなかで、父や野球を思う気持ちと反発する気持ちは分かちがたく交じり合いながら強大となり、投球へと込められていきます。
作中で描かれる飛雄馬たちの一球入魂の姿には、第二次世界大戦と、その後の復興、高度成長の時代を乗り切っていこうとする日本人のさまざまな思いも込められています。
② 穿壁引光(せんぺきいんこう)
貧困のなかで苦労しながら、ひたすら努力して勉学に励むことを、「穿壁引光」といいます。
星一徹、飛雄馬親子は、間違いなく天才的なスポーツマンだと思われますが、「巨人の星」では、その天才性よりも、恐ろしいばかりの努力の積み重ねのほうに重点を置いて描かれています。
「穿壁引光」は、貧しい者が壁に穴を開けて隣家の灯火を盗みながら勉学した故事に基づいていますが、幼い星飛雄馬の自宅の壁にも、野球ボールサイズの穴が開いていて、その穴から外の立木の幹に正確にぶつけるという練習をしています。現実にはあり得ないような離れ業ですが、親子の努力のエネルギーがあまりに高いために、可能ではないかと思わされるほどの説得力を持って描かれています。
③ 感慨無量(かんがいむりょう)
計り知れないほどり感動が心にあふれ、満ちることを「感慨無量」といいます。
「巨人の星」の世界では、生きること、成長することが常に全力であり、全てのエピソードに、壮大な感動を込めて描かれています。妥協のない選択を強いられつづける星飛雄馬は、大きな壁に衝突したり、それを乗り越えたりするたびに、家族や仲間とともに号泣して、次のステップへと進んでいきます。その姿は、見る人々に感慨無量の思いを伝えてきます。