▼これが千利休から連想する四字熟語です
① 和敬清寂(わけいせいじゃく)
「和敬清寂」とは、千利休の作動の心を表したものとして、現在まで伝わっている言葉です。
「和」はすべてが穏やかで平和であり、調和がとれていること、「敬」は、慎み深く、他を敬うこと、「清」は、茶にかかわるすべてのものを清らかに、生活に保つこと、「寂」は、いかなることにも動じない、静かな心もちであることを言います。千利休は、この精神に通じる逸話を多く残しています。
② 清浄無垢(せいじょうむく)
心身が清らかで、一切の汚れを持たないことを、「清浄無垢」といいます。
千利休は、茶道を禅宗と結びつけ、「清浄無垢」であること、すなわち生まれたばかりのときのように、我欲などを持たない純粋な心であることを、自らの茶室の中の世界に求めました。
③ 七十古稀(しちじゅこき)
七十歳まで生きる人が少ないということを、「七十古稀」といいます。杜甫の「人生七十古来稀なり」という詩の一節に由来しています。
千利休が豊臣秀吉に切腹を命じられたのは、七十歳の時でした。秀吉の相談役として強く信頼され、重要な存在だったにもかかわらず、粛清の対象となった理由は、いまもよく分からないままとなっています。七十年の人生で、利休がどのような経験をし、何を思い、静かに死を受け止めたのか、興味は尽きません。