▼これがバガボンドから連想する四字熟語です
① 阿修羅道(あしゅらどう)
強い闘争心、執着、嫉妬や猜疑の心に満ちあふれ、争いの絶えない世界のことを、「阿修羅道」といいます。
吉川英治の「宮本武蔵」を原作とした、井上雄彦の漫画「バガボンド」の主人公、宮本武蔵は、戦いと殺戮を人生の一部として育ち、天下無双の武芸者となること志すようになります。
彼の生き方は、戦いを望むものを呼び寄せ、行く先々に阿修羅道のような状況が繰り広げられることになります。けれどもそうした戦いのなかで、武蔵は大きく成長していくことになります。
② 千波万波(せんぱばんぱ)
絶え間なく次々と押し寄せてくる波を「千波万波」といいます。
宮本武蔵の生き方、武芸者という在り方は、命を奪い合う戦いを次々と呼び寄せます。その千波万波を避けることなく受け続け、孤独の中で、生きることの意味を極限まで追求しながら、常に成長しつづけていく武蔵の凄みは、「バガボンド」の読者の心をも、震撼と共鳴に巻き込んでいきます。
③ 英俊豪傑(えいゆうごうけつ)
才能や能力が際立って優れている者のことを、「英俊豪傑」といいます。
「バガボンド」の宮本武蔵と、佐々木小次郎は、ともに、武芸者として類い希な才能に恵まれていたことは、間違いありません。
けれどもそれ以上に、幼少期から過酷な境遇に置かれ、いつ死んでもおかしくないような状況を生き抜いてきたことと、心折れることなく、強い意志のもとに漂泊の人生を選び取る、その生命と精神の強靭さこそが、英雄豪傑であることの土台となっています。