▼これがジョジョの奇妙な冒険から連想する四字熟語です
① 破邪顕正(はじゃけんしょう)
不正を許さず、打破して、正義を実現することを、「破邪顕正」といいます。
荒木飛呂彦原作の漫画「ジョジョの奇妙な冒険」は、19世紀末のイギリスで、貴族の子息であるジョナサン・ジョースターと、貧民街の出身であるディオ・ブランドーという、全く性格の異なる二人が、義理の兄弟となったところから始まります。
ジョナサンは非常に正義感の強い人物でしたが、ディオは野望の実現のためには誰を犠牲にしてもかまわないという、極めて利己的で邪悪な思想の持ち主であり、二人はやがて死闘を繰り広げることになります。
ジョナサンは、破邪顕正の思いもむなしく、若くしてデュオの手にかかり亡くなりますが、彼の血を引く子孫たちは、ジョナサンの正義感をそのまま受け継ぎ、不老不死の存在となったディオや、ディオの邪悪な思想と力を受け継ぐ者達と、命がけで戦い続けることになります。
② 清濁併呑(せいだくへいどん)
善と悪を、分け隔てなく受け入れること、そのように度量の広いさまを、「清濁併呑」といいます。
「ジョジョの奇妙な冒険」では、正義のために戦うジョースター一族と、欲望を追求しつづけるディオ一派の戦いというように、社会的な意味での善と悪との対立を軸にして物語が進んでいきますが、登場人物たちは、必ずしもすっきりと善悪に別れるわけではありません。
悪の側に属する人物たちは、非常にグロテスクな犯罪に手を染め、荷担していきますが、凶悪な行いをする人物ほど、作中で、その内面を丁寧に描写されていくため、単純に「悪者」として片付けることのできない、深い存在感を帯びていくことになります。
そのためか、物語も単純な勧善懲悪では進まず、登場人物たちの世代交代が進むにつれて、ジョナサンとディオの血統が入り交じるなど、複雑な展開となっていきます。
③ 一家眷属(いっかけんぞく)
家族、血縁者など、一族をまとめて、「一家眷属」といいます。血縁者だけではなく、一つの団体や一派に属する人々のことをいう場合もあります。
「ジョジョの奇妙な冒険」では、スタンド使いと言われる超能力者たちが活躍します。
スタンドの能力が発現する事情はさまざまですが、ジョースター家のように、気質のよく似た肉親、家族間で受け継がれている場合には、その一家眷属の精神的な結びつきや、影響関係は、非常に強いものとなるようです。
また、スタンド使い同士は、敵味方にかかわらず、惹かれ合い、引きつけ合う性質があるようです。
ただし、どういうわけか、スタンド使いと言われる人々の家庭運は総じて悪く、両親、もしくは片親と早く死に別れたり、生き別れたりする事例が非常に多くなっています。