《百花繚乱の使い方》石田衣良、開高健、鈴木光司など使い方の実例集

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百花繚乱(ひゃっかりょうらん)」とは、種々の花が咲きみだれるように、優れた人物や業績が一時にたくさん現れること。この四字熟語の使い方の実例を紹介します。

 

▶︎石田衣良『アキハバラ@DEEP』
機材の進歩により低予算でも自由な作品づくりの場が広がり、ソフトショップの棚は百花繚乱の戦国状態になっている。ほぼ九割が箸にも棒にもかからないジャンク品とはいえ、残る10《テン》パーセントのなかには合議制の大手メーカーでは実現できない先鋭的な作品が埋もれていることがあった。
▶︎鈴木光司『らせん』
例えば、ネオ・ダーウィニズムと今西錦司の進化論では、基本概念がまるで異なり、どちらが正しいという結論にはまだ到達していない。 それ以外にも、進化論に関する仮説は百花繚乱のごとく、多数の生物学者から哲学者までも巻き込んでの解釈合戦が繰り広げられている。
▶︎開高健『ずばり東京』
亜細亜の清楚、南欧の艶、北欧の名花、東欧の妍、北米の無邪気、近東の神秘、いやもうこうして高い所からつぎからつぎへと繰りこんでくる百花繚乱を見ておりますと、沈魚落雁閉月羞花の風情、えらいものでございます。
▶︎色川武大『なつかしい芸人たち』
強いひとつの表情というのはそれである。女優王国といわれて百花繚乱だったのは昭和十年代で、その前、無声からトーキー初期の松竹は、栗島すみ子がトウがたち、田中絹代が孤軍奮闘という時期があった。いいタイミングで川崎市のガラス工場からスカウトされる。
▶︎堀和久『春日局』
将軍秀忠は、東国の諸大名が結集するのを待って、十月二十三日に江戸城を進発した。およそ十年前、秀忠が将軍宣下をうけるための上洛では、供奉する諸大名の家臣団は綺羅を競い、城下は百花繚乱のおもむきであった。今も、城下は軍勢で満ち満ちている。
▶︎蘭郁二郎『地図にない島』
科学の島というからには、無風流極まる、コンクリートの工場地帯を思わせるような風景を想像していたのだか、一歩、人工蜃気楼の障壁を這入ると、其処に、忽然と繰展げられたのは、言葉通り百花繚乱と咲き乱れた花園のような『日章島』だった。
▶︎江國滋『落語手帖』
例えば、有名なウィスキー会社で出していたPR雑誌などは、偉そうな先生や偉くなさそうな先生が好き勝手なことをいってまさに百花繚乱の趣きである。
▶︎鹿島茂『オール・アバウト・セックス』
これ自体には売春という意味はない。ところが、一九八五年に直接売春を規制する改正風俗営業法が施行されたことによって、あらゆる形態の「疑似売春」が百花繚乱のごとく出現して、この言葉が広い意味での売春をさすようになった。そして、それにともなって、女たちの気質も変わり、客層も変化した。
▶︎奈須きのこ『歌月十夜 01 本編』
中はそりゃあ百花繚乱な趣きだろうに、なんだって廊下でもぎりみたいなマネしなくちゃならないのか、自分はいつから秘密部隊の隊長みたいな扱いを受けなくてはならなくなったのか、あの人もあの人で苦労人なんだなあ、とか色々ツマラナイ煩悶を抱いてしまうワケである。
▶︎浅井ラボ『されど罪人は竜と踊る』
適度に抑えられた暖色照明が、攻性咒式士特有の鋭い視線や、硝子の酒杯の硬質の輪郭を柔らかくしていた。俺の目の前には、地名、人名、事件と様々な由来の名を付けられ、百花繚乱の色彩をまとった花々にも似た酒瓶が数百本と、天井までの高さの樫材の棚に並ぶ。
▶︎橋本克彦『日本鉄道物語』
部品の数を考えただけでも容易にその惨状は想像がつく。そのうえ熟練した職工の手配や、運転業務の配車の面でも、機関車の百花繚乱は害はあっても利はまったくないといってよかった。のちに調査の結果、明らかになる機種は百九十種だった。
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