《連想四字熟語》村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』から連想する3つの四字熟語

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▼これが『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』から連想する四字熟語です

《連想四字熟語》村上春樹「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」から連想する3つの四字熟語
※各ページ内の [解説] を読むと、より理解が深まります

相即不離(そうそくふり)

互いに関係し合って、切り離す事の出来ない様、密接な関係を意味する「相即不離」。

『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』で村上春樹が描いたのは、精神的世界と肉体的世界の不確かながらも密接な関係性でした。その全てはどこかで繋がっていながら、それぞれに独立した考え方を持ち、悩み、出会い、答えを出して先へと進んでいきます。

独立と繋がり。その相反する2つの矛盾を孕みながら「相即不離」の状態で物語が進み、高次元の小説世界を作り上げていくのです。

博引旁証(はくいんぼうしょう)

博引旁証」とは、物事を論じたり決したりする時に多くの材料を引き出し、証拠や関連するものを示すことです。

ハードボイルド•ワンダーランドの世界には計算士と記号士、やみくろと呼ばれる生き物が登場します。記号士とやみくろは情報を得るためならば、脅迫行為であっても躊躇なく遂行する恐ろしい存在です。ドストエフスキーやユング、スタンダールに至るまで著者が引用する作家や書名の情報量もおびただしく、情報が一体何に役立つのか、どのように使われるのが正解なのかを、湾曲的ではありながらも読者に対して問いかけています。

「今年死ねば、来年はもう死なないのだ」

このシェイクスピアの引用の裏に潜んでいるメッセージは、死なない為の逃避こそが正しいのか、諦めて全てを受けいれる事がいいのか、生死を越えてさらなる進化をすべきだということなのか。

博士は言います。「進化は常につらく、そしてさびしい」と。楽しい進化はありえないという答えを、博士は「博引旁証」した結果導き出しました。果たして「私」は溢れる情報の中でどのような選択をし、「僕」は今いる世界との折り合いをどうつけていくのでしょうか。

有為転変(ういてんぺん)

世の中の全てのものが絶えず変化し、しばらくの間も同じ状態に留まる事がないこと。これが「有為転変」です。

「私」を取り巻く世界は博士から動物の頭蓋骨を貰ったことで変化し、「僕」を取り巻く世界は影と離れる事でだんだんと色彩を失っていきます。突然起こった変化の中で「私」は混乱しながらも博士を救出に向かい、「僕」は影の説得で世界の終わりから出ようと考えるようになります。

そんな「有為転変」状態の世界でも、変わらない存在があるはずでした。計算士である私が所属する組織が設定した無意識性と呼ばれる意識の最深部と、循環しながら完結している世界の終わりという場所。しかし変化しないはずの最深部や世界の終わりが、はからずにも段々と変化を起こしていくのです。

村上春樹がこの小説で描きたかったのは、「有為転変」なのか、それとも複雑に入り組んだ「相即不離」なのか。
どうやらこの小説を読み終わった後、読者はお互いの感想を「博引旁証」して論じなければならないようです。

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