《連想四字熟語》村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』から連想する3つの四字熟語

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▼これが『ねじまき鳥クロニクル』から連想する四字熟語です

《連想四字熟語》村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』から連想する3つの四字熟語
※各ページ内の [解説] を読むと、より理解が深まります

一往一来(いちおういちらい)

行ったり来たりすること。行き来することを、「一往一来」といいます。

村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』は、複雑な構造を持つ小説です。東京の世田谷とモンゴルのノモンハンが絡み合い、現実世界から精神世界へ行ったと思えば、今度は第二次世界大戦時の昭和前期と1980年代後半を「一往一来」します。

ねじまき鳥とは、ねじを締めることで世界の歪みをなおす存在という、とても抽象的なものです。さらには精神世界へと行き来するのを手伝う不思議な姉妹や、主人公を新たな世界へと導くシナモン・ナツメグ親子も登場し、さらに謎は深まっていきます。

クロニクル(年代記)というタイトルが示す通り、ここにはねじまき鳥が世界の歪みをなおしていく過程が描かれています。世界の歪みとはいったい何を意味するのか、なぜそれほどまでに色んな場所に移り行くのか。読み進めていくのが楽しみでなりません。

螻蟻潰堤(ろうぎかいてい)

ほんの小さな出来事が、大きな事件や事故の原因となること。これが「螻蟻潰堤」です。

1本の電話から、主人公であるオカダ・トオルの人生が少しずつ変化していきます。発端は電話ではなかったのかのかもしれません。
妻にちょっとした一言が言えなかった、少しの変化に気がつかなった、そんなほんの少しのすれ違いが「螻蟻潰堤」となり、夫婦の間に取り返しのつかない溝ができてしまいます。

では『ねじまき鳥クロニクル』が夫婦関係を修復するための物語かと言われれば、それは話の側面の1つでしかありません。妻の失踪から始まり、妻を取り戻すための行動が描かれていきますが、結果的にある大きな問題と対峙することになってしまうのです。その大きな問題こそが世界の歪みであり、この物語の中心であり、オカダ・トオルがねじまき鳥として物語に組み込まれてしまう理由でもあります。

2部で完結するはずだったこの小説は、「良いニュースは小さな声で語られる」という言葉で一旦の終わりを迎えますが、村上春樹の心境の変化の後、3部が書かれることになりました。
オカダ・トオルはその小さな声を聞き取って、世界の歪みをなおすことはできるでしょうか。

捲土重来(けんどちょうらい)

捲土重来」とは、砂埃を巻き上げて再び反攻することから、一度破れたり失敗していたものが再び勢いを盛り返してくるたとえといいます。

オカダ・トオルが対峙する世界の歪みとは、暴力性という存在です。

その姿は時代と共に戦争や権力、またはその複合的なものへと姿を変えますが、現代においては主人公の妻の兄である綿谷ノボルが暴力性の象徴として登場します。大きな力と対峙せざるを得なくなったときに選べる選択肢は、逃げるか取り込まれるか、もしくは戦うしかありません。かつてねじまき鳥は獣医師だったとき、中尉だった過去の時代には世界の歪みと戦いきれませんでした。

しかしオカダ・トオルに入り、ついに綿谷ノボルとの決着をつけることが可能になったのです。その裏には、かつてその暴力性に傷つけられた不思議な姉妹や、シナモン・ナツメグ親子の助力がありました。時代を越えた経験と助けがあったからこそ「捲土重来」を期すことができたのです。

「大切なものを守る為には、どんな不条理であっても戦わなければならない」ということがこの物語のテーマのように思えますが、ここに1つの単語を埋め込んでおきたいと思います。
この言葉こそが、この物語がねじまき鳥「クロニクル」である為に必要な言葉なのではないでしょうか。

「大切なものを守る為には、どんな不条理であっても『何度でも』戦わなければならない」

諦めの感情こそが、人にとって最大の敵になりうるのです。

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