▼これが新世紀エヴァンゲリオンから連想する四字熟語です
① 霊魂不滅(れいこんふめつ)
人間の魂、霊魂は、肉体が滅びてしまっても、永遠に存在しつづけるという考え方を「霊魂不滅」といいます。
「新世紀エヴァンゲリオン」では、セカンドインパクトと呼ばれる未曾有の大災害で、人類の半数が死んでしまった未来世界を舞台として物語が繰り広げられます。そこでは、強大な力を持つ組織が、人類を補完するという、謎に満ちた計画に従って活動しています。
それは全ての人間の魂を、それらが生まれた場所に回帰させた上で、孤立や対立、諍いのない、安らぎに満ちた完全な存在に進化させるという趣旨のものでしたが、人類補完計画の要となった主人公、碇シンジが、それを望まなかったために、実現することなく終わりました。
② 満身創痍(まんしんそうい)
体中が傷だらけの状態であることを、「満身創痍」といいます。
エヴァンゲリオンに登場するパイロットたちは、物語の中で、使徒と呼ばれる強大な敵と戦う役割を負っていますが、心身に深い傷を負う存在でもあります。父親に捨てられ、他者と関わることを恐れる碇シンジ。
精神が壊れた母親に認識されなくなったことで深く傷ついて育った、惣流・アスカ・ラングレー。自我が希薄で、自らの命も省みずに任務を遂行しようとして、ボロボロになってしまう、綾波レイ。この満身創痍の子どもたちの、孤独な精神に、全人類の未来の行く末が託されますが、結果的に、「人類補完計画」の目指したものとは、違ったところに着地することになります。
③ 鰥寡孤独(かんかこどく)
妻に死なれた夫と、夫に先立たれた妻、両親を失った子ども、伴侶のいない独り者など、身寄がなく困窮している人々のことを、「鰥寡孤独」といいます。
新世紀エヴァンゲリオンという物語は、死海文書や旧訳聖書の記述を下地とした、複雑で難解な設定を持っているため、さまざまな解説や論考が出るほどです。
けれども登場人物たちの抱える苦悩や葛藤は、どこにでもある鰥寡孤独に由来するものであって、それは「補完」されていない人類が決して逃れることのできない痛みであるとも言えます。