▼これが花より男子から連想する四字熟語です
① 意志堅固(いしけんご)
極めて困難な状況におかれても、志を曲げることなく、決めたことをやりぬこうとすることを、「意志堅固」といいます。
神尾葉子原作の漫画「花より男子」の主人公、牧野つくしは、裕福とはいえない、一般庶民の家庭の出身でありながら、親の希望でセレブばかりが進学する高校に入ってしまい、そこで筆舌に尽くしがたい苦労をすることになります。
心の歪んだ資産家の子弟たちによる、牧野つくしへのいじめ、いやがらせは、犯罪と言うべき内容でありながら、彼らの親の力を恐れる教師達は、いじめられる生徒を守る義務を放棄。
牧野つくしも、何度となく退学に追い込まれそうになりますが、持ち前の正義感でいじめをはねのけ、やがて、いじめ行為の中心となっている大金持ちの男子生徒グループと、少しづつ心の通じる関係となっていきます。
② 傲岸不遜(ごうがんふそん)
他者を見下し、おごり高ぶった態度を取ることを、「傲岸不遜」といいます。
「花より男子」で中心的な存在となっている、「F4」(花の四人組)こと、四人の御曹司たちは、学校では、他人を人とも思わない、無慈悲で傲岸不遜な振る舞いをして、反省することがありません。
しかしそうしたグロテスクな言動の裏には、彼ら自身が、自分たちの家庭において、肉親から無条件に愛されることなく、跡継ぎとしての役割だけを期待される、権力のコマにすぎない存在であることを深く自覚しているという面があります。
③ 胸襟秀麗(きょうきんしゅうれい)
考え方が真っ直ぐで美しく、心構えが立派で正しいことを、「胸襟秀麗」といいます。
財閥の御曹司である道明寺司は、傲慢で短気な性格であるだけでなく、他人に心を許すことのない、狭量で危険な少年でしたが、自分とは生い立ちも考え方も全く違う牧野つくしと出会い、対立しつづけるうちに、彼女に恋心を抱くようになり、少しづつ、本来の優しさや純粋さを取り戻し、胸襟秀麗なさまを周囲にも見せるようになっていきます。
この物語では、セレブと言われる家庭で育った少年たちの、精神世界の貧しさや孤独、愛情の欠乏ぶり、人間的に大きな欠陥があることなどが、折に触れてあぶり出されています。
けれども、親の金や権力では手に入れることも、守ることもできない大切な何かに出会ったときに、彼らが本来の美点や資質を大きく成長させていく様子こそが、大きな見どころであると言えます。